菓子づくりの奥深さに

菓子づくりの奥深さに
「情熱だけで勝てたようなもの。1年間のた打ち回って、自分の力のなさを実感した」
 それまで、いくつかの有名店で修業を積んできたが、菓子づくりの奥深さに改めて気付かされた。
 「感性だけではお菓子はできない。材料をキッチリ計量して、手順通りつくっても、おいしいとはかぎらない。料理人は芸術家的。パン職人は発酵を調整する化学者。パティシエはその両方の要素が必要で、建築家のようなもの」と説明する。

 父親は建築家、兄は1級建築士、弟は木工の大工。建物のアイデアをもとに、強度を計算し、建築法に照らしながら、建物の図面を描いていく過程をそばでみていると、そう思えた。

 それでも、世界的なコンクールでの優勝は人生を大きく変えた。「技術レベルで遜色(そんしょく)ないパティシエは数多くいるが、結果を残せたことでチャンスが広がった。すべてやりたいようにしていいから店を任せたい、という人も現れた」

 34歳で「デフェール」のパティシエとなり、自分もお客も納得する菓子づくりに取り組めるようになった。「デフェール(Deffert)」という店名は、デザートを意味するフランス語「Dessert(デセール)」をもじってつけた造語だ。

 今や、たまプラーザ駅周辺は、有名な洋菓子店が軒を並べるスイーツの激戦区。舌の肥えたお客は、よりオリジナリティーのある“絶品スイーツ”を求める。安食さんは、「やはり吉田美和さんを目指して、自己表現を突き詰めていくしかない」と笑顔をみせる。


サボテンの育て方

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